Appleは開発者向けにiOS 18.5 Beta 3をリリースし、iOS 18の改良サイクルを継続しています。これは、iOS 19のデビューが予想されるWWDC 2025に先駆けたものです。
このアップデートでは大きな新機能は導入されていませんが、いくつかの注目すべき機能強化、バグ修正、パフォーマンスの最適化が含まれています。
リリース情報
iOS 18.5 Beta 3は、iOS 18に対応するすべてのデバイスで利用可能です。
iPhone 16 Pro Maxでは約956MBのアップデートサイズで、ビルド番号は22F5053Jです。
特に、モデムファームウェアのアップデート(バージョン1.6.00から1.6.02へ)が含まれており、セルラー接続の安定性と品質向上が図られています。多くのユーザー向けにキャリア設定もバージョン64.0に更新されました。
iOSに加え、AppleはiPadOS、macOS、watchOS、tvOS、HomePod OS、visionOSのベータアップデートもリリースし、エコシステム全体の改良を進めています。
主なアップデート
RCSメッセージングの拡張
RCS(リッチコミュニケーションサービス)サポートがiOS 18.5 Beta 3で拡大し、インドのJioやAirtelなど一部のネットワークで利用可能になりました。
これにより、グローバルでのRCS機能の展開が続き、SMSやMMSを超えるメッセージング機能が強化されています。
AppleメールのUI
メールアプリには、カテゴリ表示の明確化や、三点メニューに「優先表示」や「連絡先写真の表示」といった新オプションが追加されるなど、細かなUIの改良が施されています。これらはメッセージの整理やユーザー体験の向上を目指しています。
Vision Proアプリのアップデート
Apple Vision ProのSpatial Galleryアプリの新アップデートにより、ユーザーは『Ted Lasso』の舞台裏などの没入型コンテンツを探索できます。
これは、Appleがプラットフォーム間で空間コンピューティングコンテンツの統合を推進していることを反映しています。
Apple News+のスプラッシュスクリーン
Apple News+に新たに追加された料理セクションを強調する新しいスプラッシュスクリーンが登場し、さまざまな出版物から7万以上のプレミアムレシピにアクセスできることを紹介しています。
パフォーマンスとバグ修正
接続性の修正
モデムファームウェアとキャリアのアップデートにより、通話品質とデータパフォーマンスが向上する見込みです。
AirDropのパフォーマンス向上や、RCS機能の安定性向上も報告されています。
システムの安定性
iOS 18.5 Beta 3では、アニメーションがよりスムーズになり、iPhone 11などの古いモデルを含むデバイス全体でRAM管理が改善されています。
スクロールパフォーマンスや、天気や設定などの自社アプリの起動速度も最適化されています。
バッテリー寿命と発熱管理
これまでのベータ版と比較して、Beta 3は熱効率が向上し、バッテリー寿命もわずかに改善しています。
特にApple Watchで指摘されていた高い電力消費が、今回のバージョンではよりバランスが取れているようです。
AppleCareのUI修正
- AppleCareと保証セクションが以前のビルドで不具合を起こしていた問題が修正され、正常に読み込まれるようになりました。
- インターフェースが明確に再設計され、ユーザーはエラーなく保証の詳細を確認できます。
GenmojiとSiriの改良
Genmojiの作成機能が再び安定して動作するようになりましたが、一部のデザインに関する問題は残っています。
Siriへのテキスト入力も安定性が向上しています。
削除された機能
写真アプリの「最近削除した項目」フォルダにあった「すべて削除」オプションがこのベータ版で再び削除されており、Appleがその導入をまだ検討中であることを示唆しています。
残っている問題
一部のユーザーで壁紙の彩度バグが依然として存在しますが、その影響は軽減されているようです。
また、AppleCareメニューやサードパーティアプリの統合に関する軽微なバグも残っています。

編集者のコメント
iOS 18.5 Beta 3は、主要なOS移行に先立ち、Appleがユーザー体験の磨き上げを続ける傾向を示しています。
6月9日のWWDCでiOS 19がデビューする予定であり、このベータ版はiOS 18サイクルの最終アップデートの1つとなる可能性があります。ここでの最も意義深い変更は、モデムの改良、RCSサポートの拡大、ネイティブアプリ全体のUIの微調整など、内部的なものです。
iOS 18.3ではHomeアプリでのロボット掃除機のサポートなど新機能が導入されましたが、iOS 18.5は明らかに革新よりも安定性に焦点を当てています。
それでも、これらのバックエンドの改良は、今年後半のiOS 19へのスムーズな移行を確実にするために不可欠です。
Appleが現在の週次リリースペースを維持する場合、Beta 4は早ければ4月28日に登場し、リリース候補(RC)は5月5日または5月12日までに登場する可能性があります。iOS 18.5の最終公開リリースは、WWDC直前に予想されます。